アネロのリュックとさよならする日
最近たまに1人で歯医者に行くことがあります。
今日もナイトガードをつくりに歯医者に行って、椅子に座って、窓際に置いたカバンを見ました。
「そうだ、もういいんじゃないのか」
ふとそう思いました。
わたしのアネロのリュックはいわゆるマザーズバッグです。
アネロってこれな。見たことあるだろ。
トートのマザーズバッグは、体の小さいわたしにとってはめちゃくちゃずり落ちて使いにくいので、いくら「抱っこ紐と重なって肩パットがすごい」と書いてあろうとも、こりゃリュック一択だなと思っていました。
とはいえ赤ちゃんのいない状態での想像なんてたかが知れていて、いざお出かけが必要になって、どんなのがいいか具体的にわかってから買おうとそのまま出産。
こどもさんが生まれた年はやたらインフルエンザが流行っていて、無呼吸で生まれてきたこどもさんはもしかしたら呼吸器が弱いんじゃないかとビビったわたしは必要以上に引きこもっていて、1ヶ月検診まで全然一緒にお外に出ませんでした(直前まで入院してたのもある)。
でもいつまでもそんなことも言ってられないのでやっとなんかカバン買わねばと思って買ったのがアネロでした。
リュックは合わせるのが難しいと思っていたので、それまで調べたこともなく、そのとき「ママバッグ リュック」で検索かけるとやたら出てきた。売り込みかけてたのかな。
でも確かに便利。
パカっと大きく開く口は、全部チャック開かないときれいに開かないから、正直便利なのかどうか判断しかねるところはあるんだけど、背中側のチャックはめっちゃ便利。
リュックを下ろさずにお財布もエコバッグも取れる。
抱っこ紐しててもできる。天才。
雨の日も風の日も、どこに行くにもアネロのリュックと一緒にお出かけしました。
ベビーカーにかけた日もあったし、車の助手席に放り投げるのなんて今でもいつもだし、片手で無理やり口金開けようとして、多分若干口元は歪んでいる。
どこに行くにもこのカバン一つで、おむつとおしりふきと、初期は哺乳瓶と粉ミルクとお湯の入った水筒をぎゅうぎゅうに詰め込んでお出かけしました。
あの人もアネロ、この人もアネロ。
国民総配給バッグなのかと思うくらいアネロの人を見ました。
おんなじ形のおんなじ色のリュックの人も結構いて、みんな自分じゃない人のお世話をするものを、わからないながら必死で選んだんだなと思いました。
同じ頃に出産した友達は早々にマリメッコに変えてました。
みんながんばったよな。
こどもさんも幼稚園に行って、なんとかかんとかおむつも取れて、もうぎゅうぎゅうのおむつもおしりふきもいりません。
まだ急に走り出したりコケたりするから手は空けておかないといけないけれども、1人で歩けるし自分で荷物も持てるし、何よりもう24時間わたしと一緒ではないのです。
こどもさんが幼稚園に行っているから、わたしは1人で歯医者にいる。
この5年、これもいるかもあれもいるかもと思ってパンパンにしていたリュックは、もう十分すぎるほどお仕事をしてくれたのかなあと思いました。
めちゃくちゃがんばってくれたよ。
パイピングももうヤバイもんな。
見て見ぬ振りしててごめん。
今日までありがとう、アネロちゃん。